ニール・ヤング
by You 都市
その痩せっぽちな風貌と、奥のほうからこちらを睨みつけるようなニール・ヤングの眼光からは想像も付かない頼りなさげな彼の声は、初めて彼の音楽を聴いた時にミスマッチを感じる人は多いのではないだろうか。しかし、彼のその独特な声から生まれてくるアコースティックで土臭い香りのする音楽は、まるでアメリカ田舎町の農家に漂う香りを、そのまま聴く人の居る空間にまき散らしたちまちその場所を彼の世界に塗り替えてしまう。そのサウンドは彼の独特の声であればこそ表現できるもので、メロディーも曲もアレンジも全てが皆必然的なものとして感じられるにはそうは時間がかからない。
彼が活躍した70年代初頭から中期にかけては、学園紛争もやや落ち着きを取り戻しややもすれば倦怠感だけが支配する時代の中、たったひとつ若者がメッセージを世の中に伝えるための武器として残ったものがあった。それは音楽であり、演奏することへの参加であった。そんな中で彼の乾いた音楽は、例えそれがエレクトリックにアレンジされたものでも、当時の空気感にうまく一致していた。高校生だった僕は、彼の「ハーベスト」を良く聴いた。何度も、何度も繰り返し聴いた。
当然ながら当時はアナログ盤30cmLPの時代。ジャケットは薄いベージュ色のザラ付いた素材の紙で、ハーベスト(収穫)というアルバムタイトル通り素朴な雰囲気を醸し出している。今どきのCDのプラスティックケースの下に挟み込まれるジャケットは、全く同じデザインでも残念ながら異質のものを感じてしまう。
1曲目の「週末に」へ針を落とすと(いや、リモコンを操作すると)、乾いたバスドラの音と、それと同じくらいに乾いたアコースティックなギター(マーチンD-45か?)のイントロが始まり、草の臭いがほのかに香り、ゆったりとした落ち着きの中にありながらも、ポケットにはナイフを隠し持ってるよ…と言わんばかりの緊張感のあるハープの音色が聴こえてくる。
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他にも大ヒットした「孤独の旅路」なんかも今あらためて聴くとこのような曲がヒットした時代は本当に良い時代だったのだと思わずにいられない。「ダメージ・ダン」なども曲中に「Needle…」という表現がありそれがドラッグの針を意味するという話しを聴いて、当時高校生であった僕は見てはいけないものを見る思いでドキドキしながら聴いた事を思い出す。
実は、先日ニール・ヤングのライブDVDを観る機会があった。少し肥ってはいたものの彼はやはり昔のままの眼光で世界を唄っていた。数十年ぶりの同窓会で相変わらず頑張っている友人に出逢えたような、そんな錯覚に陥った僕も実はあの頃からは少し肥っていた。
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1.週末に |
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ニール・ヤング関連CD
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